雁木、角と桂馬の手筋

じわじわ慎重に将棋を指している。
今日は有段者の将棋を観戦していて、
矢倉に雁木囲いの右四間で挑んでいるのを見て真似をしてみた。
挑戦してきた、10級程度の相手に試してみた。


最初はお互いに、左から金銀金銀という矢倉おなじみの並びから、
左から二番目の銀を斜めではなくて、前に突き出し、「雁木囲い」を作る。
雁木は棒銀に弱いと書いてあったが、相手は飛車先不突き矢倉をしようとしていたので、
まんまと私の餌食となった。
最初から馬鹿みたいに右四間をするタイプは私は大嫌いであるが、
雁木から右四間だと、特に10級程度ならしらないパターンのようである。
飛車先不突きの矢倉には棒銀に急遽予定を変えるのにも手数がかかり、
気付いた時には、こちらの術中にはまっているというやつである。
私も以前、相矢倉の将棋になると思い込んでいて、雁木にされて返り討ちにあった、
という経験があるが、多分それも雁木からの右四間だったような気がする。
角道も飛車道もあからさまな右四間よりははるかに通りやすいのである。


雁木vs矢倉での一番の醍醐味は、最初は相矢倉の駒組みでお互い動いているのに、
こちらが雁木にしたら、相手が驚いているのが経過時間によってよくわかるところである。
「雁木からの右四間」というのは覚えておいて損はない戦型だと思った。
相矢倉の将棋が今のところ凄く苦手なために、今日は雁木をふと思いついて指したが、
結構いけることが判明した。
具体的に雁木vs矢倉の何がいいかといえば、まずは雁木からの右四間を知らない人がいること。
それから、矢倉囲いの銀は桂馬と交換になったり、「桂頭の銀」になったりして釣りあげられたりするが、
雁木囲いの場合、矢倉囲いの位置に銀なんぞいなくて、なにもないので、
矢倉戦のキーマンとなる向こうから飛んでくる桂馬の脅威というのがないのである。
その代わり棒銀に弱いのだが・・・。
いまは苦手な相矢倉をさけるための雁木になっている感じである。
相矢倉でいままでどれほど負けたことか。
そもそも相矢倉の将棋というのは、米長氏曰く「将棋の純文学」であるが、
相手の攻め駒とこちらの守り駒の交換で進んでいくのだが、気持ちが折れそうになるのである。
将棋が相矢倉になると、地の力というのが露呈するし、
それから実力が伯仲すると、お互いが切り合いを演ずることになり、勝つか負けるかというのは別にして、
かなり精神的に参る戦型なのである。
どなたかが将棋はメンタルスポーツといっていたが、相矢倉なんかは特にその通りだと思った。
最後に、雁木で大切なのは、なるべくギリギリまで相矢倉の素振りをすることである。(笑)


あとは有段者の将棋を見ていて、手筋というのを少しずつ覚えていこうと思った。
将棋もいろいろ種類があるが、基本の手筋の組み合わせでできているということは羽生さんも言っていた。
もちろんそうでない将棋もある。
私が今日戦って、幸運にも勝てた相手がいたのだが、
えらく強くて、気持ち悪い将棋をするなと思って、棋譜を検索してみたら、
なんとレート2000代や1000代の人間に勝っているレート600であった。
ごく最近登録したらしく、いろいろなレートの人間とやっているようであった。
私は幸運に幸運が重なって勝つことができたが、棋譜をみるとほとんどが「こけおどし」なのである。
一手30秒という早指しの将棋だから、相手の目をごまかすことができるが、持ち時間15分の将棋では
あのような「目晦まし」的な将棋では、勝つことはできないだろうと思う。


NHKの将棋の解説を聞いていてもよく出てくるのだが、
「本筋を追求する将棋」とそうでない将棋がある。
将棋用語には「本筋」だとか「筋」だとか「手筋」だとか、「筋ではない」とか、
私のような素人には漠然としか意味のわからない言葉がある。
こけおどし将棋は、間違いなく「本筋を追求する将棋」ではないだろう。
世の中にはいろいろな種類の将棋があるのだろう。
実際、NHKの将棋トーナメントを見ていても、いろいろなタイプの棋士がいるのがよくわかる。
相手をだますような手で勝つ人間もいるだろうし、
基本の手筋の組み合わせや、大局観による駒組みなどで「本筋」を追求して、
相手をだますことなく、勝利を収めるという将棋もある。
どちらも立派な将棋であるが、私も基本の手筋の組み合わせを学んで、将棋を指したいと思う。
なによりその方がはるかに楽に上達できるだろうから。
「手筋」集などを買いたいが、しばらくは将棋観戦で見ながら学ぼう。


観戦を熱心にするようになってから、多少レートが回復してきた。
相掛かりや角換わりなどの将棋を指している場合も多いから、序盤の定跡も多少学べると思う。
観戦はやはり重視するべきである。
今日の雁木や、角と桂馬の手筋など、学べるところを学ぼう。
角が盤上にあり、桂馬があるなら、角と桂馬の手筋を探せ。
他にも手筋はいくつか種類があるはずで、一つ一つ増やしていかないと。