今日も授業

今日は朝一番から授業。
複素解析。未だ正則関数とかやっている。ただ遅刻してはならない。
欠席してもならない。受験資格がなくなってしまうから。


次に統計力学
今日はカルノニカル分布やらボルツマン分布やら勉強した。
二つはとても似ているが、別物らしい。ボルツマン因子などという言葉も、
これらの分布に関連して出てきた。
あとは統計力学につかう少しだけ複雑な積分の案内。
勝手に計算してもらえるのだから、授業というのは楽である。


あとはキャリア教育。
パナソニックの創業者の話を聞いた。
「松下哲学」とかああいう自己啓発系の話には、なんだか素直になれない。
昔、大学生一年生の頃は高校生まで本などろくに読んでいなかったので、自己啓発系の本にはまっていたが、
どれほど綺麗な言葉を並べられても、輝きは一時である。
それを本当に実践したなら人生変わるだろうが、実践しないために成功者になれない。
というよりできない。
そもそも本を読んだだけで成功者になれるのだったら、この世は成功者だらけである。
それに、松下氏のいう「成功者」という具体的なイメージが持てない。
言葉だけが独走しているように思えたりもする。
自己啓発系の本は、一種の宗教である。日本には宗教がないから、「働き者の哲学」とでもいうような本がたくさん出回る。


丁稚奉公から松下電器を作り上げたという、日本にまだ空きがたくさんあった時代(もちろんそれでもすごいが)
に企業を立ち上げるのと、今時代に立ち上げるのはやはり違う。
組織化された社会というのを講演者も言っていたが、だからこそ丁稚奉公からスタートできる社会ではもうない。
事実パナソニックが作っているパソコンだって、現代の工学技術がふんだんに使われているし、
さらには集積回路を作るには、個人がいま企業して持とうと思っても持てない設備が必要である。
それにともない町工場当初雇っていた人材と、今のパナソニックの技術を支えるエンジニアを比較すれば、
多分学歴も随分と違うことだろう。
そうはいっても松下氏の経営論は、現代でも生きる部分は当然あるだろう。
「ガラス張り経営」って松下氏が唱えた経営らしい。


ドラッカーがマスコミの報道によって一時期流行ったけど、ああいう本を愛読書と言ってしまう人というのは、
暑苦しくて仕方がないと思うけど。
昔、ドラッカーを読まないのは、人生損しているというようなことがあるブログに書かれていてそれに触発されて、
ドラッカーを読んでみたよいが、とてもつまらなかった。
元祖ではあるんだろう、スマイルズの「自助論」とかも確か啓発書の元祖であったはずだが、
なぜか別の人間によってほぼ同じ内容なのにもかかわらず、新刊として出版されるのである。
おかしな話である。


それで、授業が終わってふらーっと生協に行くと、面白そうな本があった。
ノイマンのコンピュータ論の本「計算機と脳」というのが、ちくま文庫の新刊から出ていて、
どうせノイマンだから数式をずらーっと並べるに違いないと思ってぱらぱらとめくってみたら、数式がそれほどない。
ということで、大天才といわれるノイマンの本を買い、帰りにラーメンを食べて(今日はとても寒かったから)
家に帰って、ブログを書いているという次第である。
将棋も一局指したが、序盤劣勢、中盤優位、終盤優位であったにも関わらず、
時間攻めにあい切れ負けになってしまった。こういう負け方はものすごく自分に腹が立つのであるが、
なかなか頭が素早く回らないのだから仕方がない。
調子が良い時は、多少時間に追われても勝てるのだが、今日はレスポンスが著しく悪い。


あとは実験レポートをひとつ漸く出した。十月に学期が始まって、初レポート提出が11月の半ば。
これでは退学になっても文句は言えない。やることやらないと。


計算機と脳 (ちくま学芸文庫)

計算機と脳 (ちくま学芸文庫)