一応半導体の入門書を読んでいる

高校数学でわかる半導体の原理―電子の動きを知って理解しよう (ブルーバックス)

高校数学でわかる半導体の原理―電子の動きを知って理解しよう (ブルーバックス)


大して読めていないが、一応読んでいる。
状態密度とかフェルミディラック分布だとか、大学の半導体工学の授業で学習した内容が出てくる。
状態密度が電子の取りうる波としての在り方を示すだとか、
フェルミディラック分布が電子のエネルギー状態の分布を示しているだとか、
たとえ話は「コンサートホールの座席」だとか「その座席を買う人々の財布の中身(エネルギー)の分布」だとか、
半導体工学の授業の教授が言っていた例えが、そのままでてきたので私がもう何年も前に受けた半導体工学の授業は、
この本がネタだったのか、あるいは半導体を説明するときに「状態密度」と「フェルミディラック分布」から
入るのは常套手段なのかどうなのか、というのは私の勉強不足によりどうなのかはわからない。


このフェルミディラック分布というのは、昔の統計力学は(ボルツマンが統計力学を作ったころ)
「ボルツマンの原子」で読んだように、「マクスウェル・ボルツマン分布」で熱により運動する気体分子などを表現できていた
ようなのだが、おそらく電子などはこの「マクスウェル・ボルツマン分布」には量子力学的に振る舞うために当てはまらず、
フェルミディラックによって、量子力学に当てはまるように統計力学量子力学用に改訂されたのであろう。


一応、今期の授業で古典的な「統計力学」はとってはいるが、未だに私は電磁気学を少しだけ自分で勉強したくらいで、
量子統計(これは20世紀半ばまでくらいの成果だろう)はおろか、19世紀の統計力学も理解できていないために、
半導体工学を根本から学ぶような素地というのはまったっく出来上がってないのだから、
このような入門書によって、フェルミディラック分布などは「今までの物理学による成果です」ということで受け入れて、
先々を読んでいかなくてはならないのであるが、こういうことをやるのが昔は本当に嫌いな状態であったのだが、
しかし、そういうことをやらないと退学になってしまうわけで、無理やりやっていかなければならないのである。


工学部の電気工学専攻の授業というのは、特に地方国立の大学では、基礎物理などはほどほどにそれらを基礎に使った
半導体工学や、あるいは電磁気学を基礎においた回路理論やら、基礎はほどほどにしていきなり応用に入るために、
こういうやり方に違和感を覚えると、学校が嫌になってしまう、ということがあると思うのだが、
今学期はそうも言ってられず、ただ大学受験からやり直せるなら、私は理学部物理学科に入学して、
大学院くらいから工学系に転じて、物性方向の研究をやりたかったというのが本当のところで、
私のように要領が悪い人間というのは、基礎も応用もどちらも自分で勉強しながらガンガン攻めていくというような
気力もなかなかないために、そういうことができればよかったのだが、(理学部の物理学科も大変だろうが)
できればそうしたかったと、退学になりそうな今、過去を振り返って思うのである。


とにかく私の基礎物理のレベルは19世紀くらいで止まっているのに、(それも不完全な形で)
20世紀の基礎物理の応用の実験をして、さらにレポートを書こうとするのだから、
それはもうほとんど半導体工学の本から、自分が納得しないままに概念なり数式なりを輸入して、
形だけのレポートを書くことになるというのは、このように考えてみれば無茶なのは当たり前なのだが、
とはいっても工学部の電気工学専攻の駅弁大学の人間で、きっちりと量子統計など理解している人間などなかなかいないと
私は勝手に思っている。
だから、皆、「ごまかしごまかし」レポートを欠いていくしかないのではないかと思う。


入門書読んでも、「そこは受け入れなさい」という部分が必ず出てくるわけで、勉強不足をとても悔いる次第である。
三章までは最低読み進めないと、今回の実験レポートはものにならないことを悟った。
実験レポート書こうとしているけど、正直やばい。
頑張らないと本当に退学になる可能性というのは、ばっちりある。


ただ、この入門書というのはだれを対象に書いているのか。
高校数学で分かるだとかそういうことが書かれているのだが、正直電気工学を専攻しているなかでも
落ちこぼれの私が読むにはとても丁度良いという・・・。
私が高校生の頃は間違いなく途中で放り出していた(そもそも統計力学という言葉が出てくるが、
私が高校生の時統計力学などは知らなかったし、内容もさっぱりわからなかった)
と思われるために、私からすれば賢い高校生を対象にしているのかとも思ってしまう。
あとがきなんかには、大学レベルの半導体工学を平易な言葉でとか、大学生や研究者に、だとか
そういうことが書いてあるので、実は電気工学科の学生を対象に書いているのではないかと思ったり。
ある程度、科学用語をしらないと、はてなんのことやらとおもうことが多いと思うのだが、
とはいっても数学は平易にしてある半導体入門書なのだろう。
私は読みやすいが、たとえば文系の人が読んで、ううん、分かった!となるのだろうか。
皆賢いからそうなるのかもしれない。
良い本だとは思いますが。


進行具合から見るに、きっちり土曜日から集中できていないと遅れ気味になる。
月曜日の今日、木曜日のレポート提出を考えるに、どう考えてもこの進み具合ではまずい。
ブログなんて書いている暇などないのだが、とはいっても書かないと頭の中は整理できないし。


しかし、今日は将棋などに呆けてしまった。久しぶりに3級にカムバック。
角換わり棒銀を相手に早繰り銀で対抗して、多少勝てるようになったのがカムバックの理由だろう。
角換わりは便利である。先手で通常の角換わりを目指し、後手で一手損角換わり。
横歩取りと矢倉を覚えたいところだが、そんな時間はありはしない。


10月も今日で終わりか。早すぎる・・・。準備も何もできていない。
ただ月日だけがいたずらに過ぎて行って、私の勉強は全く追い付いていない。
夏休みにゆったり自分のペースで勉強できたのは、なかなかない機会だったのだなぁ。
忙しくなってくると時間の無駄をやはり感じるのだが、時間が膨大にあるときはなぜかそれを思わない。
その程度の人間なのだろう。
歳をとればとるほど、自分が無能な人間だと気づくのはこれいかに。
なにやらブレイクスルーでもないと、このままでは駄目である。