図書館で本を読んだ

今日は授業は皆無だったので、図書館で本を読んだりした。
「数理科学」も目に付いたので今月号を読んだ。
熱力学というのは、「現象論」らしい。
つまり基礎物理とは違って、私の勝手なイメージだと、体系が宙に浮いている感じなのではないかと思う。
現象と現象の関係については説明してあるが、現象そのものにまではメスが入りこんでいないような。
勝手にふわふわとそんなものだとイメージしているが、きっちり調べておかないといけない。
流体力学は現象論だし、一年前くらいに読んだ磁性体の本も、本書は現象論です、と注意書きしてあった。


ちなみに、「現象学」となると科学とは違う別分野ではあるが、さっぱりわからなくなる。
フッサールが創始したアレらしいのだが、何度かトライしたがこればかりは分からなかった。


「数理科学」など読んでも、かなり難しい本なので、私は1%でも理解できればよいほうなのであるが、
それでも字面を追いかけて読んでしまうのはなぜだろう。
なんか面白いことが書いてあるとは分かるのだが、勉強不足で解読不可能なのにも関わらず。
難しい雑誌でも脳みそはとにかく目を通すことを望んでいるのだと思った。
分からないけど、一応全部スキャンしておいてね、後々すべてをつなげるような努力は無意識下でしておきますね、
最終的に理解できるかどうかはわからないけど、というような力に導かれているような気がした。


世界 2011年 10月号 [雑誌]

世界 2011年 10月号 [雑誌]


それから図書館のラックにあった、岩波書店が出している「世界」を読む。
文芸春秋よりかはよい表紙の紙を使っていて、なにか高級感が出ている。
岩波書店というのは、岩波文庫岩波現代文庫岩波新書といい、装丁はとても地味なのであるが、
あの渋さをこの「世界」にも少しばかり感じる。
読書初心者が見たら、間違いなく「無愛想な表紙」だと思うだろうが、長く本を読んでいると、
「読書初心者を寄せ付けない渋さ」というのを感じ始めて、読んでいると「読書上級者」になった気持ちになれる。


それで「世界」を読んでみたわけであるが、こういう雑誌も滅多に読まない新聞の代わりに読むのはよいかもしれない。
最近は、アメリカの凋落というのが話題のトピックのようで、それについての幾人かの記事が載っていた。
どなたか忘れたが、経済政策で不景気というのは乗り切れるというようなことを唱えて、
きわめて人工的に経済をいじった人間が、短期的にはその目論見を成功させたが、
その入力は複雑な経済世界の中で人間が予想だにしない出力(リーマンショック)となったという
現在のアメリカ経済の不調について語っていた。
今、米ドルの価値が著しく下がっているのは誰でも知っているが、アメリカという国は、
その経済政策の失敗と、もう一つの失敗はイラク戦争で莫大な金を使ってしまったという原因に由来しているようだ。
9・11からアメリカは戦争をして、それから金融せ策に失敗して、この二つの要素によって未曾有の不景気を迎えているという。
そういうアメリカの物語が載っていた。


あとは奨学金の話ですね。
大学の奨学金サラ金のようになっているという。
延滞すると、延滞料が発生して、今は随分不景気だから雇用も安定しないで返せない人間が出てくるが、
サラ金のように随分高い延滞料を要求するようである。
奨学金で儲けるというのは世界中探してもない、というようなことが書いてあった。
気をつけよう。


「無限」に魅入られた天才数学者たち

「無限」に魅入られた天才数学者たち


あとはこの本も続きを読んだ。
ボルツマンがマッハと論争したように、カントールクロネッカーと論争している。
ボルツマンの時代とかなり被っている。
画期的なアイディアには、論争はつきもののようである。


その後、砂川氏の本の8章を読んで感動した次第。
明日は朝から学校。これでまず第一週終り。正直随分疲れた。