大学三日目

今学期は、一日が終わったら一応感想を書くような勢いで
三日目も書いてみる。
加藤氏が言っていた「writing cure」の実践である。


今日は朝8時半から16時ころまで学校に張りつけであった。
前期は全く学校に行っていないし、ひさしぶりに学校へ行くと正直かなり堪えるのである。


まずは複素解析の授業であるが、中間が40点、期末が60点だそうである。
教科書はなく、授業で行ける所まで行くという。
複素解析は難しいところまでいけば理解できない人間が多くなるはずであるが、
地方国立では「皆が理解できる適当なところ」までしかいかないのである。


その次は、統計力学の授業。こちらも参考書なし。
配点は学外に知らせてはいけないような実情であると思うので、ここには書かない。
そんなもんである。
こういう状態から科学技術立国というものが事実なのか空想なのかわからないが実現するというのは、
一体どういうことかといつも首をひねるばかりである。
旧帝国大学以上のレベルの大学が頑張っているのかしら。よくわからない。
とはいっても、この統計力学の教授も複素解析の教授も私はどちらも好きである。
なによりそれらの科目を自分の言葉を用いて説明している。
相性が合わなかった別の複素解析の非常勤講師の授業は、正直全く分からなかった。
ただ教科書を読んでいるだけであった。
この統計力学の授業も、そもそも統計力学とは何ぞやというところから始めてくれる。
熱力学はマクロを扱い、量子力学はミクロを扱う。
統計力学はそのミクロとマクロを繋ぐんだというお話と、それから良さそうな参考書も紹介してくれた。
あとはエントロピーの意味、絶対温度の意味というのも、彼の統計力学の講義を聞いていれば、
おのずと分かるのだ、ということを言っていた。


そのあとに、就職関連の授業がある。
学問界であるはずであるが、こういう産業界の浸食を大学も受けてしまっているのである。
統計力学の教授は、物理をずっとやってきた人なんだろうなーという雰囲気を醸し出しているが、
この授業の教官は、書店に売っている俗な自己啓発本から飛び出てきたようなことをいう。
ドラッカーなどという単語が、授業に出てきたわけであるが、私はドラッカーは嫌いである。
どなたかが「ドラッカーを読んでいないと人生損をする」というようなことを言っていたから、
どんなものかと読んでみたら、やたら効率の話である。
つまらない。


その後、学科の就職説明会にでる。
この辺りで、もううんざりし始める。
しかし、この就職説明会というのは、ほとんど「大学院のすすめ」であった。
有名な企業は大学院生からとるんだと。
今、話題の電力会社(東電ではない)などの大手中の大手は、大学院生(修士)を出ているのが最低条件である。
かなり大手の企業名が並んでいたが、学部から真面目に大学に通った「いい子ちゃん」の進路なのだと思う。
私はこの程度の大学に入って「いい子ちゃん」なんて馬鹿じゃないかと思っていたが、
今になって思ってみれば、私もまともに大学に通っておけばよかったと、大人になった今は思うのである。
が、電力会社に内定をもらった人間も知っているが、くだらない奴であった。


そんな話はどうでもよいとして、大学院というのは、奨学金は8万円程度有利子で貰えて、
学内のバイトをすれば月十万は入るという。
あとは入学金と授業料を何とかしろと言っていた。(つまり親にもらえと)
入学金と授業料は、二年間で合わせて300万程度は行くと思うが、つくづくこの世の中は金だと思った。
そもそも上で言ったような大企業に入るには、たいていの人間が親に車を買ってもらえるという過保護状態である。
私の友人で大学院に行っている人間も実情としては、親に車を買ってもらい、私より程度のよい下宿にすんでいる
「お坊ちゃん」である。
何人にも平等にチャンスを、というお題目がまかり通っているのであるが、
学歴というのは、そもそもお金と相関していることは間違いなく、別に平等ではないのである。
大学受験が一番フェアであるとは思うのだが、そのチャンスを逃したら、後は面白くないことばかりである。
大学院から他の大学院に行こうというのでも、そもそも研究室で大学院一年からなじまなければならないし、
研究内容になじんだ頃には、もう就職活動かという糞みたいな話になる。


それで就職について話を聞くと、なんだか無性にむしゃくしゃして
(私の思い通りにはならないであろうというのが予測されて)
いらいらし始めたので映画を見に行くことにした。
適当な映画を選んで「アンフェア the answer」を見た。



羊たちの沈黙」に出てきたような昆虫を飼うシリアルキラーの典型像が出てきてお決まりだなぁと思った。
最後の電話で自分がトリプルクロスだと暴露するところも、
メタルギアソリッド3」のオセロットをあまりにも彷彿させた。
だからって悪いとは言わないが、映画館に行きたくなったときに適当に見る映画にはちょうど良い程度だと思う。


猿の惑星」も今週公開みたいだから無料券あるので見に行きましょうか。
三谷氏の映画もそろそろ公開らしい。


そう思いつつ、食糧を買って、煙草を買って、ショッピングモールで自転車の横に置いていた傘が盗まれたから
傘をユニクロで買ったら、あらもう財布が空っぽ状態である。
別段映画館に行っても気分が多少和らいだだけで変わらない。


将棋もやったが連敗連敗で、5級までまっさかさま。
しばらく3級にもお邪魔していない。
何かにエネルギーをとられると、将棋って勝てないとよく思う。
精神的に疲れていたり、他にすべきことがあって疲れていたりすると、どうしようもない。