砂川氏の電磁気学、リンドリーなど

電磁気学の考え方 (物理の考え方 2)

電磁気学の考え方 (物理の考え方 2)

ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け

ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け


スウ氏のベクトル解析を勉強し終えたので、今度は実際に電磁気学にとりかかっている。
上の砂川氏の電磁気学入門書を読んでいるが、スウ氏の本を終えた後では
演習が足りないという気持ちになる。


理論書であり、演習書ではないので仕方がないのであるが、
私が苦手なのは、理論がこうなっていますよー、と観光案内されてしまうことである。
メモを取りながら読んだらよいのだろうか?
でもそれは非効率だし、頭の中にも残らない。
書いたメモを読み返すこともないだろうし。


砂川氏のこの本の内容には、それほど文句ないのだが、
たとえばガウスの法則を、任意の閉曲面を考えて実際に問題に適用するときに、
閉曲面に対して垂直な単位ベクトルを考えて、それを電場ベクトルとの内積
積分をするはずなのであるが、閉曲面をこう考え、単位ベクトルをこう考えた、
という形跡なく、ささっと解いてしまうために、たとえば「思いっきりお馬鹿」な
私のような人間がそれを読むと、むむっとしてしまうのである。
というより、計算はある程度几帳面にやってほしいし、
電荷密度を積分するときに、妙な積分記号を使うのはやめてほしかったりするのだが、
そんな文句を頭の中に蓄えながら、文句ばっかり言っていては始まらないと自分を叱咤し、
向かい合うのであるが、理論書というのは演習書と違って、
正直どう接したらよいのか、わからない部分がある。
へぇー、そうなんですね、ふんふんふん、
演習書でみっちり演習しないと身に付いた気がしない、
なんていう気分になるわけであるが、とはいっても砂川氏の考えに基づいた書かれた
電磁気学であり、やはり読んだほうがよいのだろうとは思う。
この電磁気学の本は結構薄いので、次に探し出す予定の演習書のための準備として
読み進めようとは思っているのだが、一体どう接すればよいのだろう。
単純に読んでいくだけでよいのだろうかと思ったりする自分もいるのである。


あとは、リンドリー氏の科学啓蒙書を読んでいる。
ボルツマンの時代の話で、まだ電磁気学創始者マクスウェルも健在である。
1800年代の時代であるが、しかし自分の科学に関する知識のレベルは
まだ1800年代と大して変っていないことを確信する。
200年後の出来の悪い学生は、200年たっても科学が進んではいるがついていけないのである。


それでやるべき演習書を探して、一昨日などは大きなブックセンターで唸っていたのだが、
はたしてどれがよいのやらわからない。
できればスウ氏の本のようなやり方で進めてくれれば一番よいのだが、
ああいう本は滅多にないのである。
気に入らなければ、自分で解答を考えて書いていくくらいでないとだめなのか。
とりあえずは学期が始まるまでに、砂川氏の本にさらっと目を通しておくくらいのことしか
できないのが現状である。
演習書をきっちりやっておきたかったのだが、借りてきた演習書はさほど気に入らなかったし、一体どの演習書をしばらくの友にするかも決定していない。


電気回路に関しても理論演習とやっていくつもりであったが、間に合わない。
しかもリンドリー氏の本を読んで、確率統計も勉強したくなったのだが、
後期は実験が豊満にあるので、そういうこともできないだろう。
まいったなぁ。