レート500まで回復

今日はすべての対局を低級タブでやった。
450とかその程度のレートの人間と指す。
石田流が多い。
私の経験だと、10級だとか9級などは居飛車が多い。
だから相掛かりになる展開が結構ある。
しかし、低級タブは振り飛車が多い。振り飛車は指しやすいのだろう。


私が苦手なのは、居飛車vs居飛車である。
相掛かり、相矢倉、角交換といった将棋が苦手である。
居飛車vs振り飛車の将棋とはまったく光景が違う。だから負ける。
それで今日は振り飛車がほとんどだったから、端玉銀冠はなんだかする気にもならなかったので、
居飛車穴熊に組む練習をした。
穴熊にすると6六に歩を置かないといけないので、
そうすると角道がふさがってしまうので、急戦の捌きができない。
その代わり、確かに終盤に強烈な強さというのを発揮するのが居飛車穴熊である。
玉が遠いから、こちらが詰みが近いと思えば、相手の攻撃を無視して、詰めに行くことができる。


が、私は非常に将棋がへたくそなので、居飛車穴熊にすると上手く飛車が捌けない。
居飛車穴熊で飛車が捌けたら一番よいのである。
穴熊を組んで、飛車が捌けて、ぼちぼち持ち駒があれば、銀冠なんかは吹っ飛ばせる。


今日は郷田氏と鈴木氏のNHK杯をみた。
鈴木氏が石田流、郷田氏が居飛車でうって立っていた。
穴熊には組まないのだが、銀二枚を4七と5七に並べて、6八に金、7八に玉がいる形。
対石田流に付き物の3三の銀という布陣。
これで石田流に対応していた。
結果的に郷田氏は負けてしまうのだが、序盤は郷田氏がずっと良かった。
軽快な鈴木氏の桂馬の使い方に終盤でやられてしまうが、しかし石田流への対応が結構好きだった。
また、中村氏と近藤氏のNHK杯も最近見た。
中村氏が近藤氏の中飛車を受ける。
これもなんだか私の心を惹きつける将棋であった。
郷田氏の石田流の受け方と、中村氏の中飛車の受け方は、なんとなく共通点があった。
「渋い手」というのが多いのである。
石田流や中飛車は、その攻撃を受ける、ということに徹したほうが状況がよくなる。
こちらは成るだけ動かない。相手の攻撃をさせない。隙を作らない。
そういう感じで指す。これが大きな方針である。
ぐっと受ける。じっと受ける。そのうちに相手は攻め手を欠き、歩を切らす。
そこで一気に攻勢に出てやっつける。
そういうやり方であった。


私の苦手な石田流や中飛車にどうやって対応するのか、ということがよくわかった。
大きな方針として、じっと渋く受けて、相手が攻め手を欠いて手がなくなってきたら、
そこで一気に攻勢をかけて、やっつける。
中飛車というのは序盤はかなり派手である。その派手さにビビり、焦ることがある。
それがもう負けの始まりである。そうではなく落ち着いて、じっとまずは受ける。
相手の手を完封するように受ける。
そのうちに相手の手がなくなって、プロではなくて一般人ならなおさら、変なことをしだす。
そうしたらそこでカウンターである。
石田流や中飛車に相対するときは、これが基本なのではないかと思った。
じっと居飛車は受ける。銀を引けるところは後ろに引いて、守備陣を「引き締める」ということも
良い手である。そのうちにあいては手がなくなってくる。
中飛車使いというのは、じたばたしたい連中なのである。多分本当は小心者のはずである。
低級や中級の人間なら、そうである。
本当は怖くて怖くて仕方がないので、中飛車にしているに違いない。


何にしても郷田氏と中村氏の将棋はなんだか好きであった。
ああいう「がっちり」とした将棋が打てたら面白いだろうと思った。
というより、中村氏の将棋を見ていて、相手の攻撃を完封するような「受けつぶし」というのを初めて見た。
不思議流といわれているようだが、私はものすごく惹かれた。
将棋番組を見始めて数ヶ月たつが、どの棋士がどんな棋風なのかというのが少しだけ分かりだした。
そしてその中で、自分がこういう風に指したい、真似してみたいという惹かれる将棋がある。
たぶんこれは上達の一つの部品に違いないと思う。
私は派手さはないが、じっと相手をうかがい、そしてぼろが出てきたところを叩きのめすような将棋が好きだ。
相手はいつの間にか「手を作る」ということができなくなる。
将棋というのは、交互に指すのだが、「パスができない」のである。
かならずどれかの駒を動かさなければならない。
例えば守り駒は穴熊にでも組んだら、駒の組み換えが可能ならまだよいが、組み換えができない場合であれば、
動かしたくない駒になる。とくにしっかり銀冠にでも組んだら他は動かしたくない。
残るは攻め駒であるが、歩を動かすのも限度というものが中盤には出てくるし、
攻め駒を手がなくなると無理に動かさざるを得ないという状況になる。
こうなるとシメたものである。


居飛車の対振り飛車というのは、基本的には「受けて立つ」ような横綱相撲になるのが面白い。
がっちりと受けて、はしゃぐ振り飛車を押さえつける。
これは見ていて非常に格好がよいのである。
惹かれるのである。私はこれまで振り飛車に対して積極的にこちらも攻め駒をなるべく早く捌いて、
それからいち早く終盤に入ろうというような将棋をしていた。
なんだか「焦り」というのに満ち溢れたような将棋である。
そんなイメージしかないので、中飛車や石田流が苦手なのである。
そうではなくて、居飛車振り飛車の序盤をじっくり見る、というような将棋も随分見ていて面白い。


それで実際に今日はネットで11級の人間を相手に、渋い手の連続で指してみたのだが、
11級程度なら案の定「手詰まり」というのを起こし、変な挙動を示す。
それから「受けて立つ」なら「居飛車穴熊」もなかなか良いではないかと思った。
もちろん低級タブで今日はやったから、それで私の稚拙な居飛車穴熊が通用したのだろうが、
しかし「受けて立つ」という代表のような居飛車穴熊は、じっと振り飛車を受けてカウンターを狙う
という囲いの象徴的なものなのではないかと思い始めた。
端玉銀冠もよいけど、最近は居飛車穴熊だとか、がっちり後半になって威力を発揮する堅い囲いだとか、
そういうものに惹かれるようになった。
もちろんそれを実行する術というのはまだ持っていないのだが、渋い手を連発するのも悪くないと思う。


あとは、居飛車居飛車になった場合、どうするかというのをもっと考えていかないといけない。
正直居飛車振り飛車よりもはるかに難しい将棋になるので、ここをレベルアップさせれば、
もしかしたら上級も見えてくるかもしれない。
課題は対振り飛車でじっと受ける将棋を勉強すること。
居飛車居飛車の場合に、難しい将棋になるのだが、その知識は対振り居飛車の将棋よりもないため、
阿呆なほどに負けるために、初歩の初歩から教えてくれる棋書を読むこと。
これでレート750の壁を粉砕できると見た。
それを実際にやるとなると結構な時間がかかることだろうが、方針は見えた気がする。
かなり言葉になってきた。