深夜は暗い気持ちになる

深夜にふと暗い気持ちになる。
なにやってんだろ、となる。なんで院試の勉強なんてしてやがんだ、と文句をいう自分もいる。
すでに私がこれまで関係してきた人間はみな仕事に就いた。
無性にいらいらするのは、私の嫌いなタイプに限って要領よく人生を生きていることである。
そんなことはもはやどうでもよいけれど。


もう何年にもなるけど、大学に行かなくなって親との関係も最悪になって、いやそもそも受験のころから最悪だったのであるが、自分の糞みたいな人生にげんなりして、何もする気がなくなった記憶というのは、まだまだ残っている。
大学つまらない、所詮過去問回ってくるかどうかだろ糞野郎、そもそも笑顔で大学歩いているやつが嫌い。
今もそんな暗い暗い性格は抜けないけれど、多少は脱出したかもしれない。
底辺地方国立なのに、なんでこんなに課題出るのか、これだったら受験やってたほうがましだった、という気持ちにとらわれて、
学校でやっていることに向き合う気なんて起きなかった。


それが、昨年の後期は後がないということで、一応卒業するために学校の勉強を夏に嫌々ながら始めた。
もう最初は手を付けるのがとてつもなく嫌で嫌で仕方がなく、勉強したノートの片隅には、心に浮かんだ愚痴を吐き出していた。
浮かんでくるのは、私を取り囲むすべてが嫌い、ということであったけれど、そういう気持ちは多少最近は落ち着いたのかなぁ。
そもそも自分の糞みたいな人生に「水をやる」というのが、ヤケクソになった状態では嫌で嫌でしかたがなかった。
思うのは、ここから脱出したい、もっと違うところに行きたい。そればかりだったように思う。
気持ちは目の前のことに全く向いていなかった。
ここではないどこかに行きたい、としか思っていなかった。


あのころの気持ち、というか、それほど遠くない昔の話だから、ありありと覚えているのは当たり前だけど、
最近はぼちぼちなにやら変わっているらしい。
「変わるなんて癪だ」と昔の自分なら言うだろうし、そもそも今の自分もそれくらいは少し思う。


そういえば、最近は図書館で院試の勉強をしていて、研究室にはあまり言っていないのだが、
今日は図書館に研究室の仲間が私を訪問してきて、世間話をしつつ、大学生協に行ってお菓子を買った。
昔はこんなことはなかったわけで、訪ねてきてくれるなんてなんていいやつらなんだ、とか思ったりしたわけだけど、
そもそもこれほど周囲と話すようになったのはごく最近で、「ここではないどこかへ」と思っていた頃にはそもそもありえなかった。
力が抜けて、どうにでもなれ、と自分を解放しているから、こういうことになっているわけで、昔はそれが嫌だった。
「今のほうが良い」なんて昔の自分と比べて言いたくはないけれど、マトモなのは今のほうかもしれない。
昔の自分は昔の自分で、神経すり減らして、毎日毎日いらいらしてばかりであったわけで、
世間的な無効成分が多いといえば多かったわけだけれど、そうはいっても今よりも頑固であった代わりに、多少は芯もあった。


確かに、精神衛生上は今のほうが良いとは思うけれど、ただ単に「今のほうがすべて良い」とは言いたくない。
長い間、どろどろとした感情にとらわれてどうにもならなくなっていた自分が報われないし、
そうは言いながらもそもそも報われないから変化したのであって、必然的に変わらざるを得なかったわけだけど、
最近、研究室で仲間と授業にでた課題について話し合いながら取り組んだりしている自分をみて、
ふとそう遠くない昔の自分と比べると、ありえないことをやっているなぁとおもながらも、
環境が自分を解放系にさせたのはわかるのだけど、なにやらほろ苦い記憶をそのままゴミ箱に、なんてなかなかできない。