新生活スタートかしら

今日は進級者のオリエンテーションへ。
教室へ時間ぎりぎりに着くと同じ8年生の同期が私に手を振っている。
とりあえず彼が座っている一番前の席で、オリエンテーションを聞いた。
その同期の人間と希望研究室がかぶり、私の方が進級試験結果が悪いのでおそらく私の希望は通らない。
となるとまた別の研究室になるらしく、明日配属が決定されるのであるが、「波乱」の予感がぷんぷんする。
間違って実験のハードな研究室に行くと、おそらく就職活動は困難を極める。
けれど、今の時点で就職活動なんてこれといって進んでいないので、困難な状況は変わらない。
未来が開ける、というよりも明らかにやばそうな雰囲気の漂う状況に対して私ができることなどわずかである。
なるようにしかならない、と力を抜いてリラックスしておいた方が、無駄に緊張しているより良いのは経験則から分かる。
私の場合、気張るとあまり良いことにならない。


オリエンテーションで、色々な教授の顔をウィンドウショッピングの要領で見てきたわけだけど、
同じ大学の教授といっても明らかに種類があるし、スタイルも全然違うことに驚く。
いかにも学校エリートといったタイプから、マッドサイエンティストまで顔をそろえていて、
研究室の人気なども全然違うのである。
毎年、人気であふれる研究室から、配属0という研究室も存在していて、妙な格差社会というのが存在している。
あまりこういう研究室社会の階級にのめり込みすぎると良くないのは、これまた経験上分かるのでほどほどにしておく。
とりあえずは自分が卒業できそうな研究室を、明日決める。
晴れて研究室配属という、理系においては一大イベントに数えられるであろうこの事件を、私は適当に捌くのである。


オリエンテーションの後には、その同じ8年生の同期と海へドライブに行き、海辺の喫茶店で3時間程度長話をした。
話は大学から、某電子デバイス企業の没落、就職、人生へと波及して、久々に色々人と話したかと思う。
もちろんどれも稚拙な内容ではあるが、相手はかなり常識からズレているタイプの人間だから、
こちらも変態を発揮して、自分の意見をずばずばと述べていった。
彼の良いところは、ずばっと踏み込んでも嫌な顔をしない所で、徹底的に言葉でやり取りできる部分かと思う。
しかし、なかなか良い喫茶店で眺めが本当に素晴らしかった。居座って本を読みたいタイプの喫茶店であった。
二人で買ってきた煙草は、あまりにしゃべりすぎ、私が吸いすぎたのでなくなったので、お開きにした。
しゃべっていて楽しかったのは、結構久しぶりだったかもしれない。


滅多に他人としゃべららないゆえに、長々と他人と話す機会があると、自分以外の人間も色々考えているのだなと実感する。
今日の相手は、支離滅裂な部分があれど、私より色々考えているタイプの人間だったために、舌を巻いた。
しかしながら、研究室争奪戦の件は私の敗退が予測されているゆえ、明日どうなるのか、というのが白紙になった。
それで明日研究室が決定したら、またそれはそれで忙しくなるようで、これは流れに身をゆだねるしかないかなぁ。
無駄に泳いでも仕方がないので、肝を据えて待っておくしかないだろう。


そんなことを考えていると、全学期の実験仲間からメールがあり、明日就職の話でもしよう、ということになった。
私が与えることのできるネタなんて、特にないのだが、作戦会議をしようという。
明日もおそらく人と長話をして終わる日になるのかな。
いよいよ大学生活の最後になるであろう一年が始動しはじめた日。
悪い予感しかしない、というのは言わないほうがよいのだろうか(笑)。