駒の方向性

昨日は「矢倉をマスター」をkifu for windows棋譜を並べながら読んでいた。
NHK出版なので、結構親切に書かれているように思う。
真面目に書かれた、というような本であり、知識のない私には良い本である。
その中に「駒の方向性」というものが出てきた。


駒には、「守り駒」と「攻め駒」というものがある。
こういう言葉を用いて、盤面を解析するわけである。
盤面を評価する場合に、「駒の方向性」や「守り駒」「攻め駒」というのは有用な言葉、概念なのである。


基本的には、金銀三枚を「守り駒」とする。
また玉を囲う側の桂馬や香車も「守り駒」として働いている。
守り駒の特徴といえば、「そこにいるだけで働いている」ということである。


次に「攻め駒」である。
矢倉でいえば、飛車と銀と飛車サイドの桂馬は「攻め駒」である。
攻め駒は守り駒のように、「そこにいるだけで働いている」ということにはならない。
上手く「駒組み」をして、相手陣地を侵略しなければならない。


形成を見る時、守り駒と攻め駒に盤上の駒を分けるのである。
守り駒は原則として「動かされてはいけないし、自ら動かしてもいけない」のであり、
お馬鹿な人間は守り駒を攻めに使うことで、自ら「大悪手」というのを指すわけである。
これは自滅なのである。


この「攻め駒」と「守り駒」の考え方というのは基本的なものであるが、
例えばプロの「名人には定跡なし」というくらいで、当てはまらないのだろうが、
しかし素人には大切な「基本」なのだと思う。
自ら「大悪手」を指し手はいけない。
「矢倉をマスター」を読むと、そういう基本がわかるので良い勉強になるのである。
結構初心者を対象としているので、こちらとしては非常に助かる。


もう三月だなぁ。時が過ぎるのは早い。


kifu for windowsにはコメント機能がついていて、一手一手に説明をつけることができるのを昨日知った。
とても便利な機能で、一度読んだ棋書のよい復習ができる。

森下卓の矢倉をマスター (NHK将棋シリーズ)

森下卓の矢倉をマスター (NHK将棋シリーズ)