大局観 半分読んでのメモ

半分程度読んだ。
新書ということで、一般向けだからあまり専門的なことは書いていない。
当たり前であるが・・・。
昔「集中力」という新書を出していたはずであるが、あの時も買ったなぁ。
何事にも応用可能な上達の法則は書かれている。
反復練習、モチベーションの維持法。
よくいわれることである。
しかし、反復練習などは実践するとなると難しい。


詰将棋」に関しての記述があった。
詰将棋は最初は一手詰めから初めて、7手詰めくらいまで行くみたいだが、
これは何を鍛えるかというと、終盤の詰めもそうなのであるが、
「読み」の力を鍛えるという。
詰将棋で板を使わないで解いていくためには、頭の中でイメージする必要がある。
脳内将棋盤を使い、考えていくわけでそれはすなわち、
中盤の混戦を乗り切る「読み」の力にもなりえるというわけで、
詰将棋」の大切さが説かれていた。
納得したものである。


それから記憶についてである。
棋士というのはものすごい記憶力を持っていると言われるが、
例えば幼稚園児同士がさした将棋を復元するのは非常に難しいという。
おそらくプロ同士の一局には、プロ共通の論理が存在し、
それを知っていれば復元できる、というわけであろう。
併し幼稚園児は、低級の論理も使わない、まったくの自由な手をさすわけである。
だから覚えられない。


それでもその幼稚園児同士の一曲を復元するあたりは、並みの記憶力ではない、
ということが分かるのだが、プロというのは無機的に一局を覚えているわけではないのである。
コンピュータ的に棋譜を覚えているのではなくて、
「将棋の公式」の連続のような感じで覚えていくのだろう。


あるところまでは定跡通り。そこから勝負手なり、新手なりで一局に弾みがつく。
其の勝負手もプロにとっては使い古されたものかもしれない。
城跡は確実に覚えているだろうから、弾みがついた一手からは狙いを中心とした論理を
追うことで組み立てていく。
とすると、一局の復元も努力すればできるようになるかもしれない。


この本によれば、プロ棋士も一局の棋譜を覚えていって、データベースを作るわけである。
そして経験というものを養う。
詰将棋で「読み」の力も養う。
そうやって地道に強くなっていくわけである。
将棋の上達論として、「大局観」を半分ほど読み説いてみた。
詰将棋」の意義が分かっただけでも儲けものである。


詰将棋もパターンや公式というものがあって、解いていけば解いていくほど・・・
というわかるようになる。この辺りは数学と一緒である。