散歩猫

私が住んでいる地域には、私に身体を触らせてくれる猫が今まで3匹いた。
一匹は大学にいたけど、最近見ない。誰かが持って帰ったのだろうか。
もう一匹は、たまに散歩に訪れる公園にいる。
とても愛想がよく、私は公園のベンチに座って膝に載せると膝の上で寝てくれる程度に愛想がよい。
なでてあげると手をぺろぺろと清めてくれたりもする。
あとの一匹は、公園に行く途中の民家に飼われていた優しい半野良の猫だったけど、
昨年の夏の猛暑で病気になって死んでしまったと思われる。


今年の梅雨に、いつも散歩している公園で生まれた赤ちゃん猫の記事を半年前くらいに書いたが、
その3兄弟(あの頃は4兄弟だったと思うから一匹死んでしまったのだろう)が
生まれたときと同じ場所に住み着いていて、いつもコミュニケーションとろうと頑張っていたのだが、
人から餌をもらった経験を最近したのか、今日は私のほうに近づいてきて、なでなですることができた。


これで散歩猫(散歩の途中でコミュニケーションできる猫)が増えたことになる。


この猫は、生後半年足らずだから愛想は良くても、ジーパンの上から爪を立ててきたりして乱暴だが、
それはまぁ仕方がない。
生まれてから大体半年程度で、まだ子供の猫といった感じではあるが、随分大きくなるものである。


それでこの猫は触って撫でてやり、そろそろ移動しようと思い立って歩くと、なんとついてくるのである。
こんな猫は初めてである。
過去の猫は、私が呼べばてくてくと歩いてくるといった感じであった。
しかしこの猫は、自分から私についてくる。
愛想のよい猫だなぁと気にいって、ふたたび撫でてやったりしていたが、あまりについてくるものだから、
家に持って替えて買おうかとも思ったのだが、途中で車が走る道路までついてきてしまって、
さらには帰る道も分からない感じであったから、抱きかかえて元の場所まで連れ帰った。


野良猫は抱きかかえることができれば、飼い猫になれるといわれているから、いい人にもらわれたら、
寒い公園で過ごさなくてもよいし、餌もふんだんに与えられるだろうし、可愛がってもらえるだろうけど、
愛想がいいのは3兄弟の中では一匹だけだから、兄弟と別れるのもつらいのかもしれない。
多少乱暴だけど、愛想のよい猫だから、野良で生きるにしても元気でいてほしいものである。