子供だったらしい・・・

最近、メンタル面の調子が良くないので、病院に行ってきた。
前に一度心療内科を受診して以来だから、久しぶりである。今度はカウンセリングなどがある病院を選んだ。
予約制になっていて、予約した当日から数日が立ち、良いニュースにも恵まれたわけで大分改善していてはいたが、
いろいろテストをされた結果、「ADHD」と診断されてしまった。
「要するに発達障害です、子どもなんですね〜」なんて言われて、ちょっとムッときた。
前に、高機能自閉症の子供を特集したテレビ番組を見たらすごく共感してしまったわけだけど、
まだあまり調べてはいないので、高機能自閉症ADHDが近しい関係にあるのかはわからないけれど、
それに遠からずの結果になってしまった。


とはいっても、こういう反社会的な性質をもつ人々に何か名前をつけよう、
そうだ、「ADHD」とでも名前を付けておこう、という極めて人工的な概念であるし、
ADHD」という言葉が存在する以前、大昔にはそんなことは気にも留めないで生きてきた人もいるだろう。
そもそも時間をタイトに管理するような近代の仕事以前の、
農耕社会なんかではこういう人間がいても別段目立たなかったはずである。
最近の農業は御ビジネスになっているのかもしれないけれど、
昔は一時間遅れた程度では稲が枯れたりしなかったはずである。
自然の時間に合わせるわけで、その場合はおおらかな時間感覚を持つADHDの人間のほうが向いていたかもしれない。


あとはADHDの有名人だってたくさんいるんだ、とは言いながらその有名人の下には、
多くの不幸な人生を送ることになったADHDの方々もいるわけで、そういう現実の受け入れ方はなかなかうまくない。
そもそも私の価値観というか、私の感覚はすでにADHDの人の生き方のほうが共感できる、というような状態にあり、
それはADHDという病気を私が持っていたからそうなのか、それとも私が人生途上で行き着いた答えがADHDなのか、
どちらかなんて正直わからないと思う。
ADHDは確かにドーパミンなどの化学物質が脳内に欠如しているからなる病気、という機械論的解釈もあるわけだけど、
脳内は機械論で解釈しきれないのは誰もが知っている通りだし、科学の及ばない場所であるわけで。
脳内物質にある程度考えが支配されているというのはそうなのかもしれないけれど、
ソフトウェアがハードウェアに影響を与えることだってないとは言い切れないだろう。


そんなこんなで、この病気の特徴は確かにとてつもなく反社会的なものだけど、その特徴のひとつひとつを見ていくと、
そもそも社会について遠目からみているような懐疑というものがあるわけで、
なんでこういうADHDなんていう病気があるかといえば、人間社会には一定数こういう人間がいないと何か困るから、
きっと創造主が作ったのではないかと思う。
「余剰人員」というのは、強固な組織を作るのには不可欠なのである。
愛すべき病気として、これから付き合っていけばよい。
とりあえず、それらについて特集したような新書でも読みたい。


ADHDの症状として、実験レポートが書けないだとかは典型的な症状で、この辺りは医者と相談しながら直せばよい。
一応社会適応のために今回は病院にいったので、そのあたりは文句はない。
けれど、ADHDの人間が持っているとされる良い資質は、一応私の財産になるはずなので手放したくはない。
良いところは、バイタリティーと創造性。
それらが私に備わっているかは疑問であるが、そこまでないとも言い切れない。


幸運にも、今日行ったお医者さんはADHDを専門にしているらしく、「よく来てくれた」となぜか目を輝かせていた。
そりゃ、自分が勉強している専門分野が来れば、私だって面白がらずにはいられない。
ADHDの専門家というのはなかなかいないらしく、うまい具合に私がそこを訪れたということだけれど、
確かに私のテストの回答はあなたがいうようにそれを示していたけど、レッテル張りもいいところだとは少しだけ思った。
盆明けに大人用のADHDの薬が使えるようになるらしく、それを私に処方したがっていた。
・・・モルモットかな、おいらは。
悪いところは直して、良いところはそのままにすれば、それでいいだろう。
実際には悪いところを直したら、良いところもなくなる可能性だって大きいけれど。


ただ、メンタルに病名をつけられると精神的に来るものはある。
私は胃腸が悪い、といえば胃腸が悪いわけで、それを認識する私にはまったく異常はない。
私は椎間板ヘルニアだ、といえば悪いのは私ではなくて背骨である。
私はADHDだ、となると少し具合が違うわけで、ADHDを認識する私自体がADHDなのさ、おお随分病んでるな、
となるわけで。


ちなみにだけど、「けいおん!」の唯ちゃんはかなりADHDの気があると思う。
あともの忘れがひどいのは仕様らしい。
テストできないのも仕様とな(笑)。